遺伝性乳がんについて
乳がんは食生活などの環境因子の影響が複雑に関与して発症していると考えられています。乳がん患者さまの多く（90～95％）は遺伝以外の環境因子が主に関与していると言われています。残りの5-10%は遺伝が大きく関係している「遺伝性乳がん」といわれています。
なかでも、「遺伝性乳がん卵巣がん（HBOC：Hereditary Breast and Ovarian Cancer）」と呼ばれるがんでは、「BRCA1」または「BRCA2」という遺伝子に「病的な変異」がみられます。
HBOCの特徴
以下のいずれかに該当する場合は「遺伝性乳がん・卵巣がん」の可能性について、詳細な評価を実施すべきとされています。
National Comprehensive Cancer Network. NCCN Guideline Genetic/Familial High—Risk Assessment：Breast and Ovarian 2020 ver1.より引用
乳がんの遺伝にかかわる遺伝子の検査は、限られた大学病院やがん専門病院，地域の基幹病院（拠点病院）などで行うことができますが、その場合は検査前に遺伝カウンセリングを受ける必要があります。検査及び遺伝カウンセリングができる施設は、病院のがん相談支援センターへの問い合わせ、あるいは日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構（JOHBOC）のホームページをご参照ください。