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乳がんの治療(放射線治療)

乳がんの治療について

乳がんの治療は、手術、放射線による局所治療、手術前後に行う薬物療法による全身治療を、患者様の状態によって適切に組み合わせて行うことになります。ここでは主に放射線治療について解説しますが、その前にそれぞれの治療に際しての当院の対応をご紹介しておきます。

手術

当院では、手術が必要な患者様には、当院と連携する高度医療機関をご紹介致します。もちろん、手術に際してご希望の医療施設がある場合には、当院よりその医療機関に紹介状を書かせていただきます。手術後は当院で再発がないかのフォローや内分泌療法(ホルモン療法)を行うことが可能です。

放射線治療

当院では放射線治療は行っておりません。当院と連携する高度医療機関にて受けていただきます。放射線治療は入院の必要はなく通院で受けることができます。そのため放射線治療が続いている間も当院に通院していただき、フォローを行うことは可能です。

薬物療法

当院では、薬物療法として主に内分泌療法(ホルモン療法)を行っています。内分泌療法を行う際に出現する副作用に対しての相談をすることも可能ですし、一部の内分泌療法の副作用で出現する骨密度低下に対して、骨密度検査をすることも可能です。

術後の放射線治療について

手術では目に見えるがんをすべて取り除きますが、乳房温存術を行った場合、目に見えない小さながん細胞が残っている可能性を考慮し、がん細胞根絶のために放射線治療を行います。また、乳房切除術を行った患者様に対しては、腋窩のリンパに転移があった場合や残された胸郭や皮膚に目に見えないがん細胞が残っている可能性のある場合に行います。

乳がん放射線治療の流れ

治療は乳腺外科医ではなく放射線腫瘍科医が行います。患者様それぞれの手術後の病理結果や治療結果などを考慮して、照射する放射線の量や照射する範囲を決めてから、治療を行います。

基本的な放射線治療の流れは、月曜日から金曜日の週5回通院し、1~3分程度の照射を1日1回受けていただきます。放射線の照射回数は患者様の状態によって異なりますが、1日1回で済むこともあり、数十回行うこともあります。この治療サイクルを5週間、計25回続けていただくのが一般的です。

乳がん放射線治療の副作用

放射線治療による副作用は、すぐにあらわれるものと、数か月から数年を経てあらわれるものがあります。
すぐにあらわれるものとしては、照射部分の皮膚のかゆみ、ヒリヒリ感、発赤などの他、やけどのように皮がむけたり水ぶくれができたりすることもあります。
これらは塗り薬や保湿薬などで対応可能で、徐々に治まっていくことがほとんどです。

しばらくしてから生じる
副作用

放射線治療では、数か月から数年を経てからあらわれることがあります。ただし、乳がんの治療においては、重大な副作用が起こる可能性は低いため、あまり心配することはありません。
時間を経過した後に以下のような症状があらわれて、症状がつらい場合や生活に支障があるようなことがあれば、放射線治療を受けた医療機関にご相談ください。

  • 肺炎:放射線によって肺の細胞がダメージを受けることで起こる放射線肺臓炎やそこから起こる器質化肺炎が起こる可能性があります。
    咳や微熱が続き、胸痛、息苦しさなどの症状があります。
  • 照射部皮膚のかさつき、かゆみ、発赤:放射線治療を受けると肌が乾燥しやすくなることがあります。保湿薬やクリームが有効です。

  • 温存した乳房が小さくなってしまうケースがあります