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乳がん
(乳がんセルフチェック)

乳がんセルフチェックの
重要性

乳がんは早期発見で高確率な治癒が期待できます

乳がんは早期のうちに発見して適切な治療を行うことで、高確率に完治することがわかっています。しかし多くのがんと同様、乳がんも早期のうちはほとんど自覚症状が無く、なかなか気づきにくいのが現状です。

近年、欧米ではBreast Awareness(ブレスト・アウェアネス)という考え方があります。これは「乳房を意識する生活習慣」のことで、以下の4つのポイントからなります。

  • ご自分の乳房の状態を知る

  • 乳房の変化に気を付ける
  • 変化に気づいたらすぐに医師に相談する

  • 40歳になったら2年に1度は乳がん検診を受ける

セルフチェックのしかたは以下で記載しますが、以下のやり方でなくてもシャワーを浴びるときや着替えのときなどに気軽に胸に触れてみるだけでもかまいません。なにか心配なことがあったら、乳腺専門医がいる医療機関を受診しましょう。
また、乳がんの初期は何も症状がないことが多いので、何も症状がなくても40歳になったら2年に1度は乳がん検診を受けましょう。

乳がん発見の
一番のきっかけは「しこり」

乳がん発見のきっかけとしては「しこり」が9割以上を占めています。乳房のしこりの8~9割は乳腺線維腺腫や乳腺症といった良性のものと言われていますが、触診して良性か悪性かを判断することは難しいのです。正常の乳腺組織も硬く触れて「しこり」だと感じる方もいます。
正しく判断できる必要はありません、しこりかな?と心配になったら、ぜひお気軽に当院のような乳腺専門クリニックにご相談ください。

毎年の検診と
定期的なセルフチェック

何も症状がなくても乳がんの早期発見のために定期的に乳がん検診を受けることが大切です。またセルフチェックも月1回程度してみてください。
以下のやり方でも良いですし、これが大変と感じるようであればお風呂に入るときに軽く触ってみるだけでも大丈夫です。

乳腺精密検査(保険)について

乳がんは
外側上方に多く発生する

乳がんは、乳腺の多い外側上方での発症が一番多く、その他内側、乳輪乳頭下にも発生します。セルフチェックを行う場合は、そのことも意識しながら、全体をくまなくチェックしましょう。

セルフチェックのポイント

タイミング

月経が終わってから7日目あたりの乳房がやわらかい時期にチェックを行うことをお勧めします。
閉経後の方は、毎月決まった日に行うようにすると良いでしょう。

見た目・触診

入浴前

Step1

入浴前に、両腕を下げた姿勢になり乳房や乳頭全体を観察します。

Step2

次に両腕を高く上げ、乳房の正面、側面、斜め方向から乳房を観察します。

Step3

最後に乳頭を軽くつまんで、血性の分泌物などが出ていないか観察します。

入浴中

手にボディソープや石けんなどをつけておくことで滑りがよくなり、乳房の変化を感じやすくなります。

Step1

肘を乳房の高さまで上げて、乳房全体の表面を、渦を描くように触り、しこり、瘤などができていないか調べます。

Step2

指先をそろえて右腋窩は左手、左腋窩は右手指で腋窩に触れてリンパ節が腫れていないか調べます。

おやすみ前

仰向けに横たわり、調べたい乳房の側の肩のあたる部分に薄いクッションなどを置きます。

Step1

右の乳房を調べる際は、右手は頭の後に置き、左手の手指を揃えて行います。まずは乳房の内側半分をあばら骨につく程度まで圧迫しながらしこりや瘤がないか調べます。左の乳房の場合は右手で行います。

Step2

肘を少し下げて、乳房の外側全体を指の腹で押しながらしこりや瘤などがないか調べます。

Step3

指をそろえて腋窩に入れ、リンパの周辺にしこりがないか調べます。

バスタイムを活用

バスタイムにセルフチェックを行う際は、指に石けんやボディソープなどをつけることで滑りが良くなり、小さなしこりなども発見しやすくなります。

乳房が大きい人は横になってチェック

乳房が大きい方は、立った姿勢でセルフチェックを行っても、しこりに触れにくかったり、分かりにくかったりすることがあります。そのようなケースでは仰向けに横になってチェックを行うことをお勧めします。

チェックしたい乳房の側の背中に薄いクッションやバスタオルなどを入れ、検査したい側の腕で調べたい側の乳房を持ち上げるようにして、反対側の手で乳房に触れていきます。

セルフチェックのやり方

チェックしたい方の乳房の側の腕は上に上げて、チェックは反対側の手の親指を除く4本の指の腹で行います。つまり右側の乳房のチェックをする時は、右手を上げ、左手の人差し指から小指までの指の腹でチェックすることになります。その際、乳房をつまむようにすると、しこりと誤解することがありますので、乳房はつままずに指の腹で押すようにしてください。
チェックは片方ずつ行い、片側のすべてのチェックを終えてから、反対側の乳房をチェックするようにしてください。

しこりチェック1 
乳房全体を満遍なくチェック

乳房の上半分の内側からチェックをはじめ、次に外側から内側へ寄せるようにしながら指でくまなく触れていきます。

しこりチェック2 
乳房の中央をチェック

次に乳房の中央部分に触れて行きます。その際、指先に乳房の下にある肋骨を感じる程度まで押し込んでください。指に何か触れたように感じる場合は、その部分をぐりぐりと回すようにして、しこりがないかを確認します。

しこりチェック3 
乳房の下部分をチェック

次は乳房の下半分をチェックします。この部分は脂肪が厚くなっており、異変が比較的分かりにくい部分です。下から乳首の部分に向かって持ち上げるように触れていきます。その際、指の腹に肋骨が触れるような感覚があるまでしっかりと触れてください。

しこりチェック4 
鎖骨から乳房の上をチェック

調べたい側の手を腰に当てます。反対側の手の親指を除く4本の指の腹全体で、鎖骨から乳房の外周を肋骨に沿うように、乳房を内側に寄せるようにして触れていき、少しずつ指を下げて乳房の下までをチェックします。

しこりチェック5 
脇と乳房横をチェック

乳房の脇にもしこりができることがあります。またリンパ節が腫れていることもあります。調べたい側の手を腰に当て、反対側の親指を除く4本の指の腹を腋下に差し入れて、押しつけるようにして乳房の脇とリンパ節を確認します。この際皮膚はつままないようにしましょう。最後に腋下から乳房の横を通って乳頭に向かって斜めになでるようにしてチェックを行ってください。

しこりチェック6 
乳頭をチェック

調べたい乳房の側と反対の手の親指と人差し指を縦にして乳房を摘まむようにはさみ、絞り出すようにしながら乳頭に向かって指を滑らせて、最後に乳頭を2本の指でぎゅっとしぼるようにはさみます。しこり以外に、血性の分泌物や炎症性の分泌物がでていないかもチェックしてください。